ニュース

豊島区政12年のまちづくり!

小林俊史の区議時代の姿も

綴っていただいています。

 

著者:溝口禎三さん

本紙「都会のふくろう」連載中

 

全国書店で販売中です。

ついに始まる「リセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京」の移転 (2012.3月号)

リセ完成予想図キャプション
(出典:Fondation du Lycée franco-japonais de Tokyo 

    ホームページより)

 滝野川にある旧池袋商業高校跡地にフランスの公立学校「リセ・フランコ・ジャポネ・ド・東京」が引っ越してくるという話は以前ご紹介しました。最終的に幼稚園と小中学校はゴールデンウイーク明けの五月八日の週、高校は九月の初旬となり、千人弱のフランスの子供たちが北区、板橋区、そして豊島区を結ぶデルタ地帯に毎日通ってくる事となります。今回はそれがもたらす地域の変化について考察を加えたいと思います。
 結論から言うと当初予想されていた大規模な移動はなく、段階的に数年かけてコミュニティーが醸成される姿が見えてきます。

 

アジアでの東京のポジション低下に比例する生徒数

 

 移転の影響を考える上で、まず「東京」のアジアでの相対的な地位の低下からスタートしなくてはなりません。 
 東日本大震災前から東京にアジアの統括オフィスを置いていた海外企業の多くがシンガポールや香港、北京などに移転を始め、地震がそれを加速させました。リセに子供を通わせる親の多くはフランス系企業の幹部です。彼らの中には日本人女性と結婚したり日本をこよなく愛したりしているため、フランスの本社に対し「日本はまだまだアジアの中心です。ここから移転するのは賢明ではない!」と抵抗しているという話をよく聞きます。ガンバレ!と応援したいところですが、流れは一部幹部の意志ではどうにもならず、移転は今後も進んでいくでしょう。オフィスの移転に伴い駐在員の数がこれ以上増えることは見込まれず、当然その家族数も比例しますからコミュニティーの規模は現在より大きくなることはありません。

 

焦点は南北線沿線
 多くの家族にとって住居、会社、学校と生活にかかわる全ての機能が南北線沿線で完結しているため、リセに子供を通わせる親の一部は王子駅や駒込駅周辺に引っ越してくるようです。ただ「毎朝送り迎えが大変」という親に配慮して半蔵門、原宿、五反田など都内各所からの送迎バスが出ることとなりました。「子供の送迎」という問題が解決されるため、コミュニティーの一斉の大規模な引っ越しはなく、これから日本に引っ越してくる家族が段階的に南北線沿線に住み始めると思われます。

 

町に訪れる変化
こうした条件を鑑みて、豊島区に訪れる変化をシミュレーションしてみます。まず五月八日を境に地下鉄の西巣鴨駅と埼京線の板橋駅、また王子から駒込にかけてのエリアに突如とし大勢のフランス人の子供たちが出現します。その数は夏休みで一時減るものの、九月には倍増し、学校帰りに駅周辺にたむろする高校生の姿も見られるようになります。千人もの子供たちが見知らぬ土地に来るわけですから、駅周辺では未成年者の飲酒や地元の子供達とのトラブルなども散見されるかもしれません。ただ人口の増加と多様化に伴い地域は活気づくはずです。駐在員が入れ替わる時期に伴い、家族連れの姿も増えてゆきます。 

 

 現在東京各地に住むフランス人が急きょ居住地をこちらへ移す可能性は少なくなりましたが、平均的な駐在期間は三年から四年なため、平成二十八年ころには新しく日本に駐在する多くのフランス人家族がこの地域に住み、彼らを対象としたレストランや商店が増えます。現在の神楽坂のような雰囲気ができあがるはずです。基本的に教育水準の高い家族が多いため、子供たちがする悪さを除けば地元とのトラブルはせいぜいゴミ出しくらいでしょう。
五月から来るこれまでにないタイプの新しい隣人を、地域がどう迎え、彼らがどう受け止めるのか。最初の答えが年末までには出るはずです。

 その答えが、東京の今後の国際化を考える大きな指標になることは間違いありません。

 

筆者:

スズキ・ヨースケ
立教大卒、

NHK記者を経てコロンビア大院/ロンドン経済政治院(LSE)修了

立教大学経済学部講師(都市政策)

現在

(株)TOKYOSTAY代表取締役 

 


TPPは我々の医療に何をもたらすか(2012.2月号)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「腹が裂けるように痛い!!!痛い!助けてくれ!」
「すぐ救急車を呼ぶからな、がんばれ!」
「タクシーで頼む!救急車は絶対に呼ばないでくれ!」
「え!?」

 

 一月の終わり、目白の居酒屋でアメリカ人学生と飲んでいた際、彼が突然の腹痛を訴え倒れこみました。だが救急車は呼ぶな、病院へも連れて行かないでくれというのです。尋常ではない痛がり方に、理由は聞かず救急車を呼びました。

 

 大事には至りませんでしたが、病院で彼が言ったのはアメリカでは救急車に乗るだけで数百ドル、診療を受ければさらに千ドル以上かかり、日本でも同じシステムだと思っていたとのこと。初めて私が「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は危険だ」と感じた瞬間です。

 

日本の医療制度とTPPは相いれない

 

 国民皆保険制度の日本では健康保険制度のもと、ひとつひとつの医療行為に「点数」があり、支払料金はそれを元に計算されます。未承認の薬や高度先進医療といった自由診療を受けると、本来保険が適用される部分についても自己負担となるため、保険と自由診療を併用する「混合診療」は多くの患者にとって経済的な負担となります。この制度により営利企業の医療への大規模な参入を妨げ、安くて質の高い医療をすべての人に平等に行ってきました。
 しかし、TPPにより段階的とはいえアメリカ式の混合診療が解禁され、健康保険制度が適用される医療の範囲が徐々に狭められていけば、高所得層が高度先進医療をカバーする民間の医療保険に加入して自由診療で受診する時代が来るでしょう。 
 また富裕層を対象とした医療機関が増え、目に見える形での「医療格差」が出てくることは間違いありません。
「早急にそんなことは起きない」という意見もよく聞きます。 
ただ去年発表されたアメリカ通商代表部の「外国貿易障壁報告書」にはサービス分野における障壁として営利企業による病院経営への参入禁止が言及されています。アメリカはいずれそこをこじ開けるつもりなのです。
 

 日本医師会など三団体はTPPの交渉参加は国民皆保険が維持されないならば認められないという共同声明を出しました。混合医療が全面解禁になると、我々も家族を守るために、新しいタイプの医療保険に入ることになるでしょう。保険外診療の部分が増えて、保険料が高騰すると行きつく先にあるのは絶叫して苦しむアメリカ人学生の姿であり、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」に出てくる、貧しくて民間の医療保険に入れない人々が五千万人もいる国の姿ではないでしょうか。

 私は多くの外国人に起業させ、雇用を生み出し、税金を払わせる制度を早急に築くことが日本にとって重要な政策だと繰り返しこのコラムで申し上げてきました。この視点の先はアジアのEU化、つまり通貨の統合と市場の自由化です。EU各国は自国の保険制度や介護制度といった福祉政策を維持しながら、通貨統合による平和と経済的利益の両方を得るべく人類史上初めての壮大な「実験」を続けています。道は果てしなく、多くの挑戦と失敗を繰り返しながら血を流し、傷だらけになっても理念に向かっています。通貨危機問題で各国のデフォルトによる経済的悪影響を回避するためだけに、フランスとドイツが頑張っているわけではありません。根底にあるのは統一市場を維持し、互いの経済を密接に絡み合わせることで、お互いが戦争をできなくしようという覚悟、二度にわたる悲惨な大戦を繰り返すまいという悲壮な理念です。
 同じく、アジアでは各国が自国の国柄と優れた制度を維持しながら平和と経済的利益を得るため様々な「実験」を始める時期にきています。しかしTPPの理念はそうした議論を経ないまま「経済」という視点だけで突き進み、共感できる「理念」が見えてこないのです。


日本人女性との出会い(2012.1月号)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 よくこのコラムのタイトルについて聞かれるようになりました。

「B級」とはお好み焼きやラーメンが「B級グルメ」と称されるように、ここでは天下国家を論じるものでなく、日常のどこにでもある「外国人との付き合い」を考えたいとの思いです。日本の国力維持のためには適切な形での外国人の受け入れが急務です。生きた情報としての外国人論を書き、偏見を取り除き、知識を補完してゆくことが、諸外国の経験した「失敗」を繰り返さない道と考えます。今年は去年以上にその視点を大事にして、お伝えしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。とはいえまずは軽い話から・・・

 

日本人女性との出会いを求め、海を渡る男達
 海外で言われるジョークに「人生最高の幸せはイギリスの家に住み、日本人の妻をもらい、アメリカの収入を得て、中華料理を食べること」というのがあります。お役所のとる統計には表れませんが、独身外国人男性が日本に来る大きな理由の一つは「日本人女性とのロマンス」です。おしゃれでかわいく、控え目、男を立てて賢く立ち回るという従来のイメージに加え、最近ではビデオなどの普及も後押しし、「理想の女性像」として世界中で高い評価を得ています。我々日本人男性の評価が「圏外」というのは閉口しましょう。日本にその「夢」を求め、多くの男性が訪れ、多種多様な週末を過ごしてゆきます。
出会いを求めて海を渡る男達が最初に行くのはやはり六本木や渋谷が多いようです。外国人向け情報誌最大手の「メトロポリス」が外国人男性を対象に行ったアンケートによると六本木の「A971」と「ハートランド」、そして西麻布の「MUSE」が最も出会いの確率の高いバーとして選ばれました。多くはその周辺を目指します。こうした店で飲んでいる日本人女性は比較的外国語が話せたり、外国文化を理解したりしているため、コミュニケーションがとりやすいのです。
 しかし夜も更けて、いくつかのバーを梯子してもパートナーが見つからない男たちも。切羽詰まった彼らは風俗に行こうともしますが、日本のほとんどの風俗店は外国人客を受け入れません。ここで金のない人はあきらめますが、ある人たちには「エスコートクラブ」というものがあります。日本人女性がアルバイトで外国人と一緒の時間を過ごすというものです。料金は食事をしてバーで飲むだけで一時間五万円などびっくりするものもあるのですが、所属する日本人女性が英語やフランス語、中国語を話せる事、さらに外国人の中には接待交際費で領収書をもらっている輩がいることなどを考えるとありえる金額なのでしょう。その後の展開は本人次第です。
 最近はFacebookのほか、世界中のメンバーの家にあるソファーを無料で泊まり歩くというコンセプトの「CouchSurfing」、または「Meetup」という交流サイトなどで、事前に東京で行われるパーティーの情報をチェックし、入国前に出会いのチャンスを確定させるケースも増えました。
 ありとあらゆる手段を駆使して日本人女性との出会いを求める外国人男性たち。私も昔は「しょうもない連中」と切り捨てていましたが、大金を使って収穫もなく国へ帰る彼らを「外貨獲得の手段」と考えると情が湧いてきました。今年中には東京在住の外国人男性を対象に恋愛観についてのアンケート調査を行いたいと思っています。
 今日もまた、低い志を持った男たちが海を渡るのです。